我が子へのマナー第15回

「私主語」、やってみると難しい

よく、子供を褒めたり叱ったりするとき、「私」を主語にした方がいいと言われます。

たとえば、褒めるときなら、

「この絵、よくできてるね」
   ↓
「ママ、すごくこの絵、好きだなぁ」

叱るときなら、

「早くお風呂に入りなさい!」
   ↓
「パパ、早くお風呂に入ってもらえると助かるんだ」

という感じ。

涙ぐむ子供の頬に手を当て子供を見つける母親の画像

たしかに伝わりやすいし、他人事でも子供を責めるでもない。

非常に理にかなった子育て法だなと感じます。

ただ、やってみるとかなり難しい(笑)

とくに、アダルトチルドレンパパママは苦戦している方、多いです。

そこで今回は、その苦戦の理由と対処法を考えてみたいと思います。

アダルトチルドレンパパママが「私主語」の子育てが苦手な理由

リビングで少し遠くから子供と見つめ合う父親の画像

これはもう明白ですよね。

そもそもアダルトチルドレンは、「私主語」でものごとを考えるのが苦手。

というか、「私主語」で考えるのが苦手な人のことをアダルトチルドレンと名付けたわけですから。

幼いころから、「私」を抑圧して生きてきた。

私の思いよりも、家族の思いを優先して生きてきた。

自分の思いが、どこにあるのかすらわからない。

なので、自分の思いを伝える「私主語」の子育ては、アダルトチルドレンパパママにとって、最初からハンデ戦なのです。

その「自分の思い」をとらえること自体が、苦手なのです。

また、子供を傷つけたくないと、過剰に怯えていることも理由の一つだと考えられます。

自分と同じ思いはさせたくない。

それゆえに、本当は「私」が怒っているのに、厳しく言うのを避けるために、一般論として子供を叱りがちです。

さらに、感情のコントロールも苦手ですから、じっさい私主語で怒ってみると、歯止めが効かなくなる。

ヒステリックな言葉を投げつけてしまったり、机を蹴飛ばしてしまったり・・・。

つまり、私主語で伝えることの難易度とリスクが高いため、知らずしらずのうちに避けてしまっている方、多いです。

もちろん、アダルトチルドレンの子育ては「腰が引けてるくらいがちょうどいい」です。

ただ、それも度が過ぎれば、自分をひたすら抑えつけて、あとで爆発・・・、の悪循環のきっかけになってしまうかもしれないということですね。

うーん、難しいし、悩ましい問題です。

アダルトチルドレンの子育てで「私主語」を身につける方法

リビングで母親とじっと見つめ合う子供の画像

私たちアダルトチルドレンパパママは、「私主語」で子供と対話するには、どうしたらいいのでしょうか?

これはもう、反復練習しかないと思います

カウンセリングの現場でも、それをヒシヒシと実感します。

子供に、私主語で伝えられなかったあと。

その場面を思い起こして、一人、「私主語」で伝えなおすシミュレーションをする。

そして、最低10回は口に出して練習する。

これをくり返していくのが、もっとも着実です。

おかげさまで練習の機会は、子供は毎日なにかやらしますから、こと欠きません(笑)

そして、なにか達成したり。作品をもち帰ってきたり、手伝ってくれたりもするでしょう。

そのときうっかり、「私主語」で伝えられなくても。

そのあと、シミュレーションし、練習すればいい。

もちろん、無駄に激しく怒ってしまったときは、反省し、謝ることも必要でしょう。

でも、それだけで済まさず、ちゃんとシミュレーションし、練習もする。

心の中で「もうしないぞ!」と誓うだけじゃなく、ちゃんとシミュレーションし、練習する。

このシミュレーションと練習くり返しが、私たちアダルトチルドレンパパママが「私主語」で子供と接するために、まずやってみることだと思います。

自分を責めず、まずは子供のために

リビングで子供と笑顔で触れ合う父親の画像

もちろん、子育てにかぎらず、「私主語」で人と接することができたらいいですよね。

でも、アダルトチルドレンにとって、それはなかなか壮大な目標です。

だから、まずは自分にとってもっとも大切な我が子のために、「私主語」のシミュレーションと練習を重ねる。

これは、「またできなかった・・・」と自分を責めるためではありません。

子供と、風とおしのいい健全な関係を創るためです。

それを実現するために力を尽くすことは、親としてのマナーの一つなのではないでしょうか。

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