![我が子へのマナー第14回](https://ac-kosodate.jp/wp-content/uploads/2023/05/14-1024x574.jpg)
子供を心配しているつもりで、自分の心配をしている私
アダルトチルドレンパパである私は、いつも子供を心配しすぎてしまいます。
あなたはいかがでしょうか。
とくに「子供を傷つけたかもしれない」と、よく不安になりませんか?
幼いときの自分と同じ思いをさせてしまったのではないだろうか、と。
ただその心配の裏で、もう一つの心配が動いていることがあります。
それは、「子供からの評価が下がったのではないか」という心配。
つまり、自分自身への心配です。
子供を心配しているつもりになっているけど、じつは自分の評価を気にかけているわけです。
![真剣な表情でこちらを見つめる母親とそのそばにいる子供の画像](https://ac-kosodate.jp/wp-content/uploads/2023/05/shinobu_Beautiful_young_Japanese_mother_worried_about_her_child_57c65536-996f-4805-84d1-3f8057345617-1024x574.png)
私自身、いつもそんな自分に、親としての身勝手な「エゴ」を感じてしまいます。
親としての信頼を失ってしまったのではないだろうか?
せっかく優しい親だと言ってくれていたのに、台無しにしてしまったのではないだろうか?
言い方がキツい嫌な親だと思われたのではないだろうか?
そんな思いが、「子供を傷つけたかもしれない」という心配の裏でうごめいているのを感じるのです。
そして、そんな「セコい自分」にホトホト嫌気がさします。
これは私だけでなく、カウンセリングの現場で、多くのアダルトチルドレンパパママさんがおっしゃっていることでもあります。
子供への心配の裏に、自分の「親のエゴ」があることに気づいたとき、みんな落ち込んでしまうんですよね。
「親のエゴ」に気がつくと冷静に子供に謝れる
![息子の手を取り謝る父親の画像](https://ac-kosodate.jp/wp-content/uploads/2023/05/shinobu_young_Japanese_father_apologizing_to_her_child_bright_l_c30cc2c8-8175-4ec1-9e4d-68fd2124a724-1024x574.png)
ただ、そんな「親のエゴ」に気がつくことは、悪いことばかりではありません。
なぜなら、自分の「心配な感情」と距離を取り、冷静になれるから。
その結果、子供に素直に謝れるからです。
「傷つけてしまったかもしれない」と感じたとき、私たちアダルトチルドレンパパママは動揺します。
さらに、その奥にある「自分への心配」が大きくなって、自分の感情に飲み込まれてしまいます。
そうなれば、子供に対して冷静に対応することができなくなってしまいますよね。
たとえば、やけに卑屈になって子供の機嫌を取ろうとするかもしれません。
また「気にしてない?本当に気にしてない??」と、しつこくからんだりもするでしょう。
でも「親のエゴ」に気がつくだけで、自分の感情から距離を取ることができます。
ああこれは「セコい自分」が騒いでいるのだな。
子供の心配をするふりをして、自分の心配をしているのだな、と。
それだけでだいぶ冷静になれる方が多いです。
そして、ちゃんと大人として相手に謝ろう。
相手がどう思っていようが、よくないことをしたと思うのなら、それを素直に伝えて謝罪しよう。
そんな「大人の対応」ができるようになるのです。
つまり、心配をコントロールするためになにか特別かことをする必要があるわけではない。
ただ「セコい自分」に気がつくだけで、感情に飲み込まれず、無駄なことをしなくなるのです。
もちろん、これですべての感情が一瞬で静まるような魔法ではありません。
でも、「メタ視点」に立ち、感情と上手に距離を取ることで、私たちは冷静に対応できる傾向をもっている。
そのことは、ぜひ知っておいていただけたらなと思います。
「子供の傷」と「自分の評価」が心配になる理由とは?
「子供を傷つけたかもしれない」という心配と「自分の評価が下がったかも」という心配。
そもそも、これらの心配はどこからやってくるのでしょうか?
もちろん、理由は人によってさまざまですよね。
ただ、アダルトチルドレンパパママさんに共通している大きな要因があります。
それは次の二つです。
1.子供を傷つけることを「極悪行為」だと感じている
2.自分の評価が下がることは「地獄」だと感じている
ちょっと物騒な言葉がならんでいますね(笑)
ですので、一つずつ詳しく解説していきますね。
1.子供を傷つけることを「極悪行為」だと感じている
まず<1>の、子供を傷つけることを極悪行為だと感じているという点について。
なぜそこまで感じるようになったのでしょうか?
それは、「本当は傷だらけだった自分」に気づいたときの衝撃があまりにも大きかったから。
それが、大きな理由の一つとしてあげられるでしょう。
アダルトチルドレンと自覚されている方は、幼いころから親や家族からさんざん傷つけられてきた方が多いですよね。
それが日常であって、傷ついていることにすら気づかなかった。
それゆえに、大人になってから「本当は傷だらけだった自分」を目の当たりにしたときに、深い衝撃を受けるわけです。
その衝撃があまりにも大きくて、子供の心を傷つけることは「極悪行為」だと感じるようになる。
そして、
「子供を絶対傷つけたくない!」
「子供を決して傷つけてはいけない!」
という思いが強くなる方がとても多いのです。
だから、自分が子供を傷つけてしまったと感じたとき、どうしても過剰に心配してしまうのです。
2.自分の評価が下がることは「地獄」だと感じている
そこで純粋に子供の心配だけできればいいのですが・・・。
そうひとすじ縄ではいかないのが、アダルトチルドレンの子育てですよね(苦笑)
子供への心配の裏で、ムクムクと起き上がってくる心配があります。
それが「親としての評価が下がったのではないか」という心配です。
この心配も、過去の体験と深く結びついているケースが多いのです。
つまり、評価が下がったことでとても苦しい状況に追い込まれた経験があるということです。
たとえば、テストの成績が少し下がっただけで、親から人格まで否定される。
自分の成績のせいで、家中がまるで「この世の終わり」のような雰囲気に包まれる。
そんな、自分の「評価」が、家庭の運命を左右するかのような経験をした方も少なくありません。
また、アダルトチルドレンは人間関係が苦手ですよね。
学生時代、クラスメイトに言ったなにげない一言で、相手を怒らせてしまった方もいるでしょう。
そこで「〇〇ちゃんて性格悪いよね」と噂を広められ、グループの仲間からも無視されるようになる。
自分の「評価」が下がったために、長く苦しい学校生活を送ることになったケースもよくうかがいます。
どちらのケースも、その状況に追い込まれた本人にとっては、長い期間苦しみがつづくまさに「地獄」です。
だから、アダルトチルドレンパパママは、自分への評価が下がることが恐い。
その相手が、たとえ我が子であっても恐い。
さらにそれが、自分が「極悪行為」だと感じていることへの評価であったら、なおさらでしょう。
アダルトチルドレンパパママは、そんな複雑な二つの心配にからめとられて、日々懸命に子育てをつづけているのです。
「心の余裕」よりも「心の距離」を大切に
![青空の下、微笑む親子の画像](https://ac-kosodate.jp/wp-content/uploads/2023/05/shinobu_Smiling_young_Japanese_mother_and_child_under_blue_sky__2f6d42f3-b61a-40ec-b583-3bc0d54adff6-1024x574.png)
「極悪行為」と「地獄」という二つの強烈な感覚に追い詰められないようにするためには、先ほど申し上げたとおり自分の感情と距離を取ることが大切です。
「心の距離」が大事なんですね。
世間では、子育てで追い詰められないように「心の余裕」をもとうというアドバイスがされますよね。
もちろん、それもとても大切です。
ただ、そう言われて「はいそうですね」とかんたんに余裕をもてたら、アダルトチルドレンも苦労しませんよね(笑)
常にギリギリの状態、余裕なんてもちようのないくらい、しんどい日々を送っているのですから。
だから重要なのは「心の距離」。
「心の距離」を取り、感情マネジメントをするなかで、やがて「心の余裕」も生まれてくるのです。
そうすれば、冷静に子供に対応することもしやすくなるでしょう。
「子供の傷」と「自分への評価」。
言うまでもないですが、真っ先にケアしなければならないのは子供の方ですよね。
じっさいに子供が傷ついたかどうかにかかわらず、素直に謝ることが大切。
子供の目を見て「あなたを宇宙で一番大切に思っている。この世界の誰よりも愛している。」と、ハッキリと言葉にして伝えて、抱きしめてあげましょう。
そのうえで、しっかり対応できた自分を、存分に認めてあげてくださいね。
「そんなこと他の親だったら当たり前にできている」なんて思わずに、ちゃんと自分を認めてあげてください。
だってあなたは、アダルトチルドレンの大きな苦しみを乗り越えて、その「偉業」を達成したのですから。